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七月のご挨拶

盛夏の候、皆様いよいよご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 京都の国際会議場にて開催された第 7 回国際新興・再興豚病学会「ISERPD 2015 (The 7th International Symposium on Emerging and Re-emerging Pig Diseases)」(6月21-24日)に参加したので、ご報告致します。ISERPDは、4年に1回開催される国際学会で、2011年はスペイン、バルセロナで開催され、PFTS (謎のクチュクチュ病)、アフリカ豚コレラ(ASF)などが話題でした。今回がアジアでの初めての開催で、事前参加で800名を超えると聞きました。やはりPEDの演題が多かったです。

 新興病(Emerging Disease)とは、これまで無かった病気が、注目されるようになった新しい病気のことです。基調講演と口頭発表から主要な対象病原体を拾ってみると、日本でも流行しているPED(豚流行性下痢)、PRRS(豚繁殖・呼吸障害症候群)、PCV2(豚サーコウイルス2型)、豚インフルエンザ、口蹄疫(FMD)、ASF(アフリカ豚コレラ)などが取り上げられておりました。
 まだ清浄化できない韓国の「口蹄疫」は、国家防疫の意識の低さ、対応の悪さだと感じました。本音の発表ではありませんが、韓国からの参加者に聞くと、抗体の上がらぬと言い訳して実際にワクチンを打たない農場があったり、2回打ちのはずが1回であったり、発生農場の動物が移動禁止の消える3週後にすぐ移動できたり、発生農場エリアに勝手に出入りがあったり、日本ではおよそ考えられないルール違反ばかりでは、新たに侵入する「新興病」を早期に清浄化できないのは当然だと感じました。
 我々の経験したことのない病気は、専門家がプロ意識を持って、他国の事例を学び、侵入したことを想定した事前の準備が必要だと思います。新興病・再興病の取り組みは、決して1カ国では対応できず、世界一丸となった取り組みで『予防と早期対応』を勝ち取ることが大切だとも感じました。そのためにも本学会を通じた情報の共有、国をまたいでの研究協力や防疫体制を進めていかなければならないのでしょう。
 我々の今すぐ出来ることとして「バイオセキュリティを高める」ことが挙げられます。病原体の侵入経路を考えると、まず農場レベル、次に地域レベルのバイオセキュリティ、さらには国としての『国家防疫』意識の確立が、病原体の種類に左右されない共通課題であり、新興病・再興病の対応の基礎にもなります。
 「新興病・再興病」という聞き慣れない言葉ですが、対岸の火事がいつ日本の問題になってもおかしくないという意識を持ち、将来の生産性改善の為に必須な予防策、防疫、バイオセキュリティ向上が重要だと思います。ちなみにまだ日本に発生のないASF(アフリカ豚コレラ)について国は既に診断方法を確立し、対応できるように準備できているそうです。中国に入ったら、日本に警戒警報が必要になるのでしょう。そうならない事を祈っております。ワクチンが無いのですから!
 日本国内では、地域で温度差がついた「オーエスキー病」の清浄化を達成することが先決であり、二度と口蹄疫の再発生の無い体制を求めます。そして、強い意識でPEDも封じ込め、被害額283億(山根ら、2009年発表)が算出されるPRRSも将来の清浄化を見据えるべきだとも考えます。
 この夏を機会に病気を引き算できる農場の疾病対策と、暑さ対策を万全に!宜しくお願い致します。

株式会社エコアニマルヘルスジャパン

代表取締役 石垣 克至