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八月のご挨拶

残暑の候、皆様いよいよご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 前回に引き続き、第 7 回国際新興・再興豚病学会「ISERPD 2015 (The 7th International Symposium on Emerging and Re-emerging Pig Diseases)」のお話です。開演講演として招待された2名の発表についてご報告します。
 
 まず1人目はOIE(Office International des Epizooties:国際獣疫事務局)のバレット氏による「新興病・再興病に対処する世界的な枠組み(The International Framework for Addressing Emerging and Re-Emerging Diseases)」という演題で、OIEの取り組み状況についての紹介でした。
 OIEの取り組みを通して、世界中の動物の健康と福祉を改善し、動物を守ることが、引いては将来を確保することにつながると説明されました。言い換えると、各「国レベル」ではなく、「地球レベル」での枠組みで対応していかなければいけない時代となり、新興病はグローバルな監視体制が被害を最小限にとどめるために重要だということです。
 既に日本もOIEに加盟し、口蹄疫、PED等で協力しています。日本の家畜衛生現場を技術的に日々守っている家保とその指導的研究機関の動衛研という国家的組織とOIEが緊密な連絡を取り、更に現場を見ている獣医師や生産者が、新興病・再興病の共通理解をしていく事が大切だと感じました。
 
 2人目はセガール先生(CReSA:動物衛生研究センター、バルセロナ大)の「豚の病気の出現と進化、次は何ですか?THE EMERGENCE AND EVOLUTION OF PIG DISEASES: WHAT'S NEXT?」という講演でした。
 北米で発生した奇病(クチュクチュ病)のPFTS(Peri-weaning failure to thrive syndrome、離乳後発育不全症候群)の時、PRRSウイルスやPCV2ウイルス同様、大問題になるのではと大騒ぎした先生のことをよく覚えています。
 感染性病原体の唯一の存在によって、重要な病気または生産損失を引き起こす急性感染症の時代から、それほど破壊的ではない感染症でも、養豚産業に大きな経済的影響を与えるPRRSを含めた複合感染症的な慢性病も、新興病または再興病として注目されるようになってきました。
 人獣共通感染症としての豚病も重要で、脅威なるものに、E型肝炎ウイルス(HEV)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、β-ラクタマーゼ産生菌、豚レンサ球菌、クロストリジウム•ディフィシル、有鉤嚢虫、ニパウイルス、ボンゴワナウイルスなどが紹介されました。
 「次は何?」という演題について、何が次に流行するのか予測するのは難しいものの、PRRSウイルス、PCVウイルス、インフルエンザA型(H1N1)、PEDの登場から7〜8年で次の新興病が認められようで、注意を呼びかけていました。
 生産者、消費者および動物衛生関係者と一緒に、養豚獣医師や研究者は、論理的かつ実践的な解決策に向けて、より多くのグローバルな協力、行動指向のアプローチのためにその努力を結びつける必要があります。そこでOne World, One Health!「ひとつの地球、ひとつの健康」を意識して行こうと締めくくられました。
 
 私たちに出来ることは、正しい知識を常に最新のものとし、対岸の火である日本国内に入ってきていない新興病についての備えをし、一方出来る事としての現状の問題であるPED、PEES、オーエスキー病を撲滅する上でのバイオセキュリティ・レベルの向上だと思います。
 予想以上の酷暑ですが、熱中症対策をヒトも動物も万全に!宜しくお願い致します。

株式会社エコアニマルヘルスジャパン

代表取締役 石垣 克至