株式会社エコアニマルヘルスジャパンの最新情報

二〇一六年三月のご挨拶
 

春寒の候、いよいよご清祥のこととお慶び申し上げます。もうすぐ春ですが、まだまだ寒の戻りがあるのでしょう。 先週は平成27年度日本獣医師会獣医学術学会年次大会(秋田)に参加して参りましたので、興味ある演題についてご報告して参ります。

1.「重症急性呼吸器ウイルス、SARSとMERS」
松山先生(感染症研究所)

MERS(中東呼吸器症候群)について①若齢ヒトコブラクダと接触して感染流行、②日本のラクダは陰性、③韓国でのヒト-ヒト感染の流行原因は、診断の遅れ+患者の移動+韓国では病院にお見舞いにいかないといけない慣例。SARSもMERSもコロナウイルスで、種の壁を超えることは少ないはず。PEDウイルスのこの継続的な感染に、ヒトへの感染や病原性の変異が懸念されるところです。

2.「PEDに対する効果的ワクチンの開発と応用」

セッションⅠ「PED発生の現状」で、中国・韓国報告を聞きましたが、どこも同様の流行株でワクチンが特効薬にはならず、問題が継続している内容でした。韓国から経口新ワクチンの発表もまだ豚試験を実施していない状況です。日本国内の馴致について、「再考すべし」と強い意見が出ましたが、農水省の「PED防疫マニュアル」に獣医師の管理や行政機関(家保)の関与なしでは実施できないはずとなっております。

3.「養豚獣医療の新たな取り組み」

沖田先生(農水省)、伊藤先生・志賀先生・大井先生・石関先生・古川先生(JASV)から、力強い管理獣医師の提言がなされ、頼もしいばかりでした。単に生産性を上げるのみではなく、国家防疫、食の安全・安心、HACCP、動物性タンパクの供給確保等々、獣医師の役割は益々重要になってきます。獣医師会や行政が獣医師の地位を明確に担保していくとことで、獣医師が飛躍できる将来を期待します。

4.「薬剤耐性菌と抗菌剤の慎重使用」 

西田先生(農水省 畜水産安全管理課)から世界の動きとして、5月のWHO総会に決議された『薬剤耐性対策に関する国際行動計画(Global Action Plan)』の説明があった。戦略的目標として、① 薬剤耐性に対する理解と意識の向上、② 研究やサーベイランスによる関連知見の基盤強化、③ 衛生対策等による感染症予防、④ 抗菌剤の人及び動物医療における使用の適正化、⑤ 新たな抗菌剤や診断手法等の研究開発を促進するための投資増大が設定されており、WHOを始めOIEやFAO等の国際機関、加盟国のそれぞれの役割や取るべき行動を示されています。
http://www.who.int/drugresistance/global_action_plan/en

 また、鈴木先生(感染症研究所)から、そこで 農林水産省が実施する家畜由来細菌の薬剤耐性モニタリング事業(JVARM)と、厚生労働省が実施する院内感染対策サーベイランス(JANIS)事業の連携による、ヒト耐性菌における動物使用の影響のご報告は大変興味深いものでした。動物使用を中止してヒト耐性菌も減少した例ばかりではなく、その耐性を遺伝子レベルで動物由来か確認する作業により、原因究明が科学的根拠となるので、モニタリングの重要性を更に感じました。
http://www.maff.go.jp/nval/tyosa_kenkyu/taiseiki/
http://www.nih-janis.jp/
 『畜産物生産における動物用抗菌性物質製剤の慎重使用』はいずれにせよ重要で、その運用上、先の管理獣医師、畜産獣医師の役割が重要になってきます。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/yakuzi/pdf/prudent_use.pdf

 常に世の中は変化しています。いつまでもたっても勉強は大切ですね。この情報化社会、あり過ぎる情報を取捨選択し、正しく理解するのも重要です。
今月も宜しくお願い致します。


株式会社エコアニマルヘルスジャパン

代表取締役 石垣 克至




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