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二〇一六年九月のご挨拶
 
 初秋の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。台風等雨により被害が多く、ヒトの力でコントロールできない自然の力の大きさを感じております。異常気象というものの、災害を受ける側として、ボーイスカウトの標語『備えよ、常に!』を思い出しました。関東震災に何かしないといけないなと、先日ロープを買いました。
 今回は再度第24回世界養豚獣医学会(IPVS)を聴講した内容についてご報告致します。

 「出生時体重1.13㎏未満は淘汰」
 1.13㎏未満の体重で生まれた子豚は、生存できるチャンスが大きく減るというスペインの研究発表です。出生時体重が腹の大きさ(産子数)や農場(生産性)とは独立して、生存の可能性と増体を予測する有用な因子であることを指摘されました。
 
<低体重=高い死亡率>
 出生時の低体重は、一般的に死亡率に関連すると考えられていました。しかし、これまで実際に低体重である豚の一貫した研究発表が見当たりません。そこで境目となる「閾値(いきち)」を求めるため、2,331 腹の追跡調査を実施しました。
 
<生存のための明確なブレイクポイント>
 平均して、1腹当たりの出生子豚14.3頭、生存子豚13.1 頭。平均出生時体重は1.46㎏、累計総死亡率は17.5%。離乳前の生存チャンスは1.13 ㎏がブレイクポイントであることが判明しました。また米国での研究結果では1.11㎏と、かなり類似した値であったと、米国動物科学学会(American Society of Animal Science)の会議で発表されています。 
 さらに、里子のタイミングについての発表もありました。初生ですぐ里子に出せば、離乳までの死亡率が23% 減少でき、出生2日以降の里子では2.5 倍の死亡率になるというものです。
 日本の農場ではどうしても「淘汰」を嫌う傾向がありますよね。科学的根拠として、出生時体重と里子の効果を組み合わせたデータが是非とも欲しいものだと思います。 


(Dr. Jan Jourquinら、IPVS2016)

 私が今回改めてIPVSで感じたのは、獣医師に求められる考え方、視点の変化です。
 昔は、『獣医師➡病気➡解決策➡生産性向上』という図式が今回のIPVS2016では、『生産性向上のため➡獣医師➡提案』という逆方向に思考方向が変わったことを感じました。つい10年前は、新しい病気についてあれこれ言えば良いだけの安直な獣医師の時代であったように思います。それが情報化社会で誰もが世界中の情報に触れるようになり、経済的利益が第一に求められる時代になりました。獣医師の解決策が例えそれが「偉いご高名な先生のお話」であろうと、実際の当該農場でその効果があまり無く、逆にコストアップならば「意味がない」と農場側からクレームが入る時代です。常に農場の経済的メリットを提案し、その原因の説明として解りやすい専門的説明をクライアントの農場側に説明しなければいけない時代になり、獣医師の立ち位置が変わったと思います。
 
 理由もなく「世の中が何となくおかしくなってきた」訳では無く、この数百年の間に急激な人口増加が起こっているから、変化に追い付けないのではないでしょうか?この人口爆発の急角度を見れば「将来どうなるのか?」予測がつかないのも当たり前だと感じます。だからこそ変化していく将来に『現状維持』では通用せず、『挑戦』していくことが肝要だと考え始めています。皆さんはどうお考えですか?基本は同じ”Boys, be ambitious!”で行きたいと思います。


http://nantokashinakya.jp/sekatopix/article020/

株式会社エコアニマルヘルスジャパン

代表取締役 石垣 克至



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