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二〇一六年十月のご挨拶
 
 秋冷の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。まだ日中は暑い日もありますが、朝晩めっきり寒くなりましたね。3ヶ月長期予報では、気温は、北・東日本で平年並または高い確率ともに40%、降水量は北日本で平年並または多い確率ともに40%で、概ね平年並みのようです。

 今回は第一回日の出物産-Topigs Norsvinシンポジウム「進化するTopigs Norsvin、乗りこなす栄養・管理ノウハウ」を聴講した感想を述べたいと思います。


 はじめに: 「産子数や離乳頭数30頭」という海外のニュースを聞いて、『本当か?』『日本と条件がちがうだろう!』と最初思われた方も多いと思います。私もその1人でしたが、今回のシンポジウムを聞いて、『日本にもとうとうやって来たな!』と実感した次第です。

 「年間生存産子数 40頭」

 育種改良のスピードは、年間2-3%だそうで、2021年には『40頭/母豚・年』の生存産子数を達成すると説明されていました。凄いですね。只々驚くばかりです。私の中では、「そんな事をして許されるのか?動物本来の生命を、そこまで求める必要があるのか?ヒトは神様になったのか?」と思ったりする訳ですが、私が異常なのかもしれないですね。(苦笑) 入社当時の昭和60年、1985年ブロイラーは、飼料が前期・中期・後期と分かれ、90日齢出荷、今や45日齢出荷のケンタッキー用、日本人の好む脂を考慮した56日齢出荷という日数も、鶏の成長が本来4-5か月もかかることを思うと「育種改良」の凄さを感じます。先日もフィリピンの友人と話した時に平均産子数が7頭と言われ、「随分成績が悪いものだ」と思ったら、在来種なのでこれでも成績が良いのだそうです。豚の先祖のイノシシでは4-5頭/腹ですから、育種技術の偉大さを感じます。
 この40頭を実現させるために、「ベストパーフォーマンス」という目標値が設定されています。再帰日数:6日以内、分娩率90%以上、総産子数16頭以上、生存産子数15頭以上、死産数:0.8頭以下、哺乳中事故率:12%以下、離乳頭数:13頭以上です。
 シンポジウムでは、この母豚を使えば誰でも達成する訳では無く、「候補豚の育成」「給餌プログラム」「適正な体重を背脂肪と指標に管理(ボックスにいれるコンセプト)」が紹介されていました。当たり前の話ですが、その遺伝的潜在能力を発揮するには、当然栄養面をきっちり対応しなければなりません。

 「種豚選択の意義-- 高生産性による経済的効果/利益の追求」

 最後にマルミファームの稲吉社長から全ての生産成績を分析された、大変貴重なご報告がありました。単に子数が増えただけでなく、30頭離乳を達成していく中で、用地問題から生産規模拡大はできず、母豚数の調整をしたそうです。そこでの飼料購入量を含めた生産コストを比較し、その差額から明らかに経済的な効果があったことを示していました。30頭出荷を達成するための技術として、夏場対策として、「きめ細やかな授乳中の給餌管理(砂糖、ハーブ系飼料添加物の活用)」、「産次別の分娩率改善(P2点背脂肪厚測定)」、「哺乳中事故改善(ミルキィウィンフィーダー活用)」、「徹底したAIAOによる肥育豚疾病コントロール」だけでなく、「緻密な体重測定による有利な出荷販売」の取り組みにこそ、今後TPP等激化する生産性競争に打ち勝つ秘訣があると感じました。
 
 更に「人材の定着=管理技術の安定化」という点に触れ、単に①TOPIG飼養管理のこだわりだけでなく、②肥育豚管理にこだわり、③出荷体重にこだわり、これら社員の仕事に対するこだわりが、単なる種豚品種変更ではなく、『再生産可能かつ儲かる仕組み』をしっかり目標にしているところに感銘しました。以前、稲吉社長に「安価な外国人労働力は導入しないのか?」と尋ねたところ、「うちは地域に密着したビジネスをしていきます!」と自信を持って応えられていたことを思い出しました。社長のおっしゃる通り、この高能力母豚導入による農場成績の劇的な改善は『日本の養豚の常識が変わる』大きなきっかけになるのだと感じました。
 
 一つだけ気になったのは、日本中で皆様が高能力母豚導入すると出荷頭数を増え、単純に豚価が下がるという懸念です。以前と違い、需要と供給のバランスとかけ離れ、また格付けがあるものの本当の意味での美味しさが評価されにくい現状では、出荷頭数を増やすのが目的ではなく、生産性(利益率)を上げ、かつ『国産豚肉』の値上げも生産者と業界が一丸となって、もっともっと消費者に理解される運動こそが『国産豚肉』の競争力につながるのだと感じました。(農産物のいつのまにかの値上がりに畜産物だけ価格が変わらないのはおかしいと思います。)
 
 皆さんはどうお考えですか?時代の変化に対応しつつも、豚をしっかり見続けて”良い餌、良い管理、良い豚作り”で取り組む基本は変わらないと思います。世界中が高能力母豚の導入になるわけですが、モノ作りでは日本がトップのはずです。期待しています。

株式会社エコアニマルヘルスジャパン

代表取締役 石垣 克至



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