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二〇一六年四月のご挨拶
 

陽春の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。桜の開花にうきうきするのは日本人のDNAに組み込まれた何かがあるからでしょうか?
今回は公益社団法人全国食肉学校で開催された第6回豚肉勉強会「豚1頭、いくらに化けるか?」の参加報告を致します。

 この企画自体が豚肉を勉強していく中で、生産された豚が屠場出荷された後の加工場面を学んでいくものであり、普段見られないカット場面や部分肉販売での利益、更に精肉販売での原価と値入(利益)の計算をし、色々な制約、問題点がある中、儲けるにはアイデアが必要なことを実感しました。

1.「生体から精肉まで」
 等級(規格)を上にしたくとも、そもそも枝肉重量で80㎏以下でなければいけないこと。中となっても「薄脂の中」なのか「厚脂の中」なのか、両方の背脂肪の可能性があること。極上は全体の0.1%(H26年)東京市場の十数頭しかいないこと、等々、美味しい豚肉を示す格付けではないことが解りました。
また、部分肉セットの時点では、単純に部分肉歩留り(72-74%)を努力で上げることは難しく、ナイフを持つヒトの技術があっても、その意識を変えることもなかなか難しいこと。予測歩留りが低い、カタ・背・腰の脂肪の厚い枝肉は、安く仕入れなければ採算が合わないという意識だけが強いことも解りました。
更に日格協の背脂肪(Back Fat)は腎臓の下、第9-13胸骨の最も薄い所ですが、赤肉との相関係数が、品種改良が進んだ現在では0.6ほどで、Side Fat:腰椎の真ん中では0.85と高い相関係数だという点も興味深く、カット処理場で是非実施すべきだと思いました。講師役の教務部長の古澤先生のおっしゃる通り、「美味しい豚肉とは何であろう?」というアイデア追求、全てを加工品とした格付けを気にしない豚肉づくり、熟成肉には水分ある肉では意味なく、ある意味「枯れた肉」ということで豚の肥育期間を見直す、等々で「買ってくれる顧客層をつかまえさえすれば良い!」という意識に変える必要も示唆されました。大変為になる、面白い講義でした。

2.枝肉解体実演
 ①江原養豚様からの完全無薬ハーブ豚(LWD,)、②デュロック純粋種、③JA上野村の猪豚の3枝肉から大分割へのカット・脱骨の作業を、実際に見学しました。

3.試食
 しゃぶしゃぶと生姜焼きで試食しました。残念ながら①と②の違いが解らず、また肉らしさを感じさせる③の良さを知るため、温度と調理方法が重要である点を感じました。

4.「いくらで売れば利益が出る?」「実際の売価設定」
 枝肉=>部分肉=>精肉への流れの中で、歩留%・原価・売価・実際の金額を電卓片手に計算方法を実習しました。あまり卸しさんで利益が出ない点に驚く反面、流通で不祥事が起こる原因になるのかなと思いました。現状の豚肉の流れでは、「美味しい豚肉を生産しても」なかなか利益確保につながらず、スーパーでの精肉パック価格に大きな変動はなく、定番売価が毎回の計算によって決定されているのではなく、「上司が決めた」「競合店の価格から決めた」「店の経営から仕入値に対して決めた」等々でほぼ一定になっている点も考えさせられました。小売業の第一優先目標は売上金額であり、最終的には利益確保でしかないようです。
 美味しい豚肉なる豚を育て上げても、必ずしも評価してもらえず、価格に反映されない環境を再認識しました。差別化してその利益を確保するための6次産業化を目指すのであれば、自分の所で枝肉を捌いて①精肉販売するだけでなく、②加工(ハムソー)または大惣菜販売、③レストランといった複合化で、余すことなく利益につなげる必要があることが良く解かりました。

 養豚情報に投稿させて頂いた米国養豚生産者への取り組み「Pork101」と比べ、もの足りなさを感じました。今回の儲けの意識は6次産業化、外国産豚肉との差別化の意識を持つ上で大変有用で、日本の全ての養豚家に「差別化の意識」だけは身に付けて頂きたい点だと強く感じました。このような場が九州・東北にあってもしかるべきだとも思いました。
 Pork101で感じた米国豚肉生産者の「うまみ」や「Oily(脂肪交雑)」という表現を理解した上での日本市場参入意欲は、トランプ氏がもし大統領になったら更に強力になるのであろうと思います。日本の豚肉生産者に「待ったなし」の状況であり、『ピンチをチャンスの変えられる好機』だと感じています。業界をつなげたポークチェーンを創設して「がんばれニッポン!


株式会社エコアニマルヘルスジャパン

代表取締役 石垣 克至




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