春寒の候、皆様ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。今年も旧正月(春節・ソンクラーン・テト)の1/23から、携帯がブーブー鳴り出したお相手は、中国・タイ・ベトナムの友人で、Happy New Yearと旧正月のお祝いメッセージでした。しかし今年は新型コロナウイルス肺炎(新冠状病毒)騒動で、2008年2018年にAPVSで訪問した武漢が大変な状況ですね。(武漢加油!) マスクが無いまたは10倍以上の高価になっているのは、日本だけでなく、上海も台北もバンコクもホーチミンもそうです。
ですので、国内で発症した日本人患者で死亡例が出た時点で心配すべきだと考えます。現状の情報からは、全く他の感染症レベルで、新型コロナだからと大騒ぎする必要はないと考えます。日本の寿命が長い原因の一つは、世界的に高水準の医療があるからです。日本人が国内にいれば、そう簡単には死にません。
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さて、ASF(アフリカ熱病)ですが、これもワクチンがないので、「早期発見、早期淘汰」しかありません。新しい米国ニュースです(Journal of Virology)。実験室ながら以前に開発されたワクチンよりもはるかに効果的であると思われるアフリカ豚コレラに対するワクチンを開発したそうです。
Development of a highly effective African swine fever virus vaccine by deletion of the I177L gene results in sterile immunity against the current epidemic Eurasia strain. Manuel V. Borca, et al. https://jvi.asm.org/content/early/2020/01/09/JVI.02017-19
期待が高まりますが、コマーシャルベースで実際に手にできるまでにまだ時間がかかるのは間違いないです。
中国で“熱症”も“アフリカ熱症”も封じ込められない大きな理由は「淘汰」されずに流通されているからだと思います。淘汰保証額が出荷額の約1/4なので、うそをついても罰則がないことと、社会(養豚産業)の利益よりも個人の利益を優先する国民性等も加わり、発生を報告せず、出荷している実態があるからだと思います。もう20年前近く前に「なぜオーエスキー病ワクチンで撲滅ができないのか?」と聞いた時に「当局(日本の家保に相当)に省を跨いだ豚の移動にワクチン接種証明が必要だが、その料金を払っただけで、証明書を受領して移動ができるが、ワクチンは接種されていない。」と説明されていました。日本の常識は中国に通用しないようです。また、中国の商習慣の中に『騙される方が悪い!』というものがあって、コピー商品も正当化され続けていますし、中身のない“水ワクチン”も存在するのも当然だと理解しております。
中国では不足している豚肉を、大量生産により、需要に対して供給しようという取り組みがあります。感染のリスクが低い郊外に『豚ホテル』とも言える7階建てビルディングで、温度湿度管理できる近代的施設、屠場直結、個体チップ管理、完全データ管理と最先端の施設です。“エレベータ豚舎”で病気が爆発してきました。日本での昔の豚舎を知っておられる獣医師が「上手く行くはずない!」と口を揃えて答えますが、母豚13万頭で中国のTop10入りしたYangxiangは本気のようです